投稿日:2025年09月02日

糸リフトはコグ(トゲ)が付いている特殊な糸を皮下に挿入し、たるみを内側から引き上げる美容治療です。切らずにリフトアップ効果を得られるため、切開を避けたい患者様におすすめです。
しかし、治療後に腫れやむくみなどの症状が現れたり、理想の仕上がりにならなかったりする可能性があるため、デメリットを把握したうえで検討する必要があります。
この記事では、糸リフトのデメリットやリスクに加えて、どのような人におすすめかを併せて紹介します。糸リフトを検討している人は、受ける前にぜひご一読ください。
糸リフトのデメリット

糸リフトには、5つのデメリットがあります。
- 切開リフトほどの効果は期待できない
- 1回の治療で持続する効果に限界がある
- 医師の技術力が仕上がりに影響する
- 引きつれを感じる場合がある
- ダウンタイム中に行動制限がある
それぞれ詳しく解説します。
切開リフトほどの効果は期待できない
糸リフトには切開リフトほどの引き上げ効果がありません。そのため、強いたるみに対しては物足りなく感じる可能性があります。たるみが重度の場合は、皮下脂肪や筋肉など皮膚よりも深い部分に原因が潜んでいるケースがあります。糸リフトを希望しても、切開を伴う治療を提案される場合や組み合わせ治療が必要になる場合があるため、医師の診察をもとに選択してください。
1回の治療で持続する効果に限界がある
糸の種類や本数によって差がありますが、1回の糸リフトで効果が持続する期間は半年程度で、吸収の速度が遅い糸でも2〜3年程度です。効果を長持ちさせたい場合は、定期的に再治療を受ける必要があります。
医師の技術力が仕上がりに影響する
糸リフトは、治療を担当する医師の技量で仕上がりが大きく左右されます。たるみの程度や対象の部位、糸の挿入位置や引き上げる方向などの判断が必要になります。医師の技術力に加えて知識や経験、デザインセンスも重要です。症例写真の確認や希望の仕上がりを伝えられる画像、動画を用意し、カウンセリングの時に確認することをおすすめします。
引きつれを感じる場合がある
糸リフトでは皮膚を内側から引き上げてリフトアップ効果を得るため、引っ張る力が強いと引きつれを伴う可能性があります。違和感があるだけではなく、口が開けづらくなったり喋りにくくなったりするため、生活に支障をきたすケースもあります。糸リフトには多少のつっぱり感がつきものですが、無理に動かすと痛みや失敗のリスクが生じるため、長引く場合は医師に相談してください。
ダウンタイム中に行動制限がある
糸リフトのダウンタイム中は、日常生活のさまざまな場面に制限がかかります。例えばうつ伏せで寝ない、頬杖をつかない、血行を促進する行為を避けるなどの対策が必要です。管理を怠ると、腫れや痛みなどの症状が強まったりダウンタイムが長引いたりする可能性があります。どのような制限がかかるのか事前に把握しておきましょう。
糸リフトで起こりうるリスク

糸リフトを行うと、以下の症状が現れるリスクがあります。
- 腫れ・むくみ
- 痛み
- 内出血
ここでは、主な3つの症状について紹介します。
腫れ・むくみ
腫れやむくみは、炎症や麻酔の効果で現れる症状です。腫れは糸が身体に馴染もうとする過程で生じる正常な反応で、2日〜1週間程度経過すると改善されます。むくみもほぼ同じタイミングで気にならなくなります。
痛み
顔を動かしたり糸がある部分に触れたりすると、痛みを感じる場合があります。治療中は麻酔を使用するため痛みは軽度ですが、人によっては麻酔が切れた後にジンジンした痛みや鈍痛を感じます。腫れやむくみと同じく治まる期間は2日〜1週間程度です。心配な場合は痛み止めの処方があるか事前に確認してください。
内出血
内出血は、糸が肌の内側で毛細血管を傷付けて生じます。はじめは青あざのような見た目ですが、1〜2週間程度かけて黄色く目立たなくなり、次第に消失します。個人差によって長引く場合がありますが、メイクやマスクでカバーが可能です。
糸リフトの失敗例

糸リフトは、医師の技術力や患者様の肌の状態、ダウンタイム中の過ごし方によって以下のような失敗が起こるケースがあります。
- 左右非対称になる
- 凸凹が生じる
- 糸が透けて見える
左右差は、腫れが原因であれば改善されますが、医師の技術不足による失敗であれば修正が必要になる可能性があります。糸が透けて見えるケースでは、糸を浅い層に入れた、皮膚の厚さに糸の太さが合っていないなどの原因が考えられます。糸を挿入する方向が適切でないと肌の表面が凸凹になる場合もあるため、実績や技術力を考慮して美容皮膚科を選択してください。
糸リフトの代わりになる美容治療

糸リフトが適していない患者様は、以下の美容治療を検討してみてください。
- ヒアルロン酸注射
- 医療ハイフ(HIFU)
- ボトックス注射
- バッカルファット除去
それぞれの美容治療について紹介します。
ヒアルロン酸注射
ヒアルロン酸を注入して肌のくぼみを内側から持ち上げる方法です。ほうれい線やしわの改善に加え、あごをスッキリとさせて輪郭を整える効果があります。糸リフトと同様、治療直後から肌のハリを実感できるのが特徴です。
医療ハイフ(HIFU)
熱エネルギーを肌の深い層に照射して、しわやたるみを改善する方法です。糸リフトのようにダメージを受けた皮膚が修復する過程でコラーゲンが生成され、肌にハリをもたらします。ダウンタイムが抑えられるため、生活に支障をきたしにくい治療です。
ボトックス注射
A型ボツリヌス毒素(たんぱく質の1種)を筋肉に注射し、働きを抑制してエラの張りを改善する方法です。引き上げるのではなく、引き締めてシャープなフェイスラインを目指します。持続期間が短いためこまめな再治療が必要ですが、ダウンタイムが抑えられ、傷跡も目立ちにくいです。
バッカルファット除去
バッカルファット(頬の皮下脂肪より深い部分にある脂肪)を取り除き、フェイスラインをスッキリとさせる方法です。丸顔やエラ張り顔の改善が見込めます。頬の内側から切開して脂肪を除去するため、見える場所に傷跡が残らないのが特徴です。
デメリットだけではない!糸リフトのメリットやおすすめの人

糸リフトには、メリットや他の美容治療よりも優れている点があります。ここからは、糸リフトのメリットとおすすめな人の特徴を紹介します。
糸リフトのメリット
糸リフトには、以下のメリットがあります。
- 肌の質が向上する
- 傷跡が目立ちにくい
- 即効性が期待できる
- 仕上がりが自然
糸リフトはたるみの改善に加え、肌の自然な力を利用するため、弾力や肌質の向上が期待できます。細い針を刺したごく小さな傷しか残らないため、治療の跡が目立ちにくいです。直後から効果を実感でき、自然な仕上がりになるのがメリットです。
糸リフトがおすすめな人
糸リフトは、以下の方におすすめの美容治療です。
- フェイスラインを全体的に引き上げたい方
- 切開を伴わない治療を受けたい方
- ダウンタイムを抑えた美容治療を希望する方
- たるみの度合いが軽度~中程度の方
- リフトアップ効果と一緒に肌の弾力も得たい方
糸リフトは重度のたるみ改善には不向きですが、治療の跡が目立ちにくく、ダウンタイムも抑えられる治療です。自然の回復力によってコラーゲンの生成が促進されるため、フェイスラインを引き上げながら、肌のハリや弾力を高める効果が期待できます。また、たるみ予防やエイジングケアを目的としている場合にもおすすめです。
まとめ
糸リフトは切開をせずに受けられる美容治療ですが、さまざまなデメリットやリスクがあります。治療を検討している方は、事前によく確認しましょう。
TCBスキンクリニックでは、たるみの引き上げ、お顔のリフトアップに関する無料カウンセリングを行っております。「糸リフトを受けたいけどトラブルが心配」「自分に合うか分からない」などお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
本ページの監修医師
TCBスキンクリニックでは、しわやたるみを改善するエイジングケア治療、理想のフェイスラインにこだわった小顔治療、メスを使わない身体への負担が少ないプチ整形など、さまざまなメニューをご用意しております。患者様がリラックスしてご相談いただける環境を整え、丁寧なカウンセリングを通じて一人ひとりに適したプランをご提案いたします。「顔の印象を変えたい」「理想の見た目に近づきたい」など、治療に関するご要望がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。皆様のご来院をお待ちしております。
【新宿東口院】

経歴
- 東京女子医科大学医学部 卒業
- 順天堂大学附属順天堂医院 皮膚科
- 越谷市立病院 皮膚科
- 東京曳舟病院 皮膚科
- 同愛会病院 皮膚科
- 東京中央美容外科 新宿東口院 副院長
- 東京中央美容外科 渋谷西口院 院長
- 東京中央美容外科 秋葉原院 院長
- 東京中央美容外科 新宿東口院 院長
備考
- 日本皮膚科学会 正会員
- 日本医師会 認定産業医
- 日本美容医療学会(JAPSA) 会員