
アゼライン酸は、ニキビ・ニキビ跡や酒さ(赤ら顔)の改善に効果を発揮する天然由来の成分です。皮膚科や美容皮膚科などで購入でき、肌のさまざまなトラブルを改善・予防する効果が期待できます。
この記事では、アゼライン酸の効果や特徴、副作用の有無などを紹介します。ニキビや酒さが気になる方、肌に合った製剤をお探しの方は参考にしてください。
アゼライン酸とは

アゼライン酸はイネ科の植物(小麦・ライ麦など)から抽出される天然由来の成分です。主にニキビ・酒さ・毛穴の詰まりを改善に導きます。海外では医療用医薬品として扱われるケースが多く、さまざまな肌トラブルの改善が見込めるとして日本でも注目されている成分です。
アゼライン酸の効果

アゼライン酸には、以下の5つの効果があります。
- 抗炎症作用
- 角化異常の改善
- 抗酸化作用
- 色素沈着の抑制
- 皮脂分泌抑制作用
それぞれ詳しく解説します。
抗炎症作用
アゼライン酸には、抗菌作用によってニキビの原因であるアクネ菌の増殖を抑制し、肌の炎症を抑える働きがあります。炎症が原因で発生するニキビの予防と症状軽減に効果的です。抗炎症作用と抗菌作用で肌を健康的に保ちます。
角化異常の改善
アゼライン酸には、ターンオーバーを正常にして毛穴の詰まりを解消する効果が期待できます。ターンオーバーとは、肌が新しく生まれ変わるサイクルのことです。古い角質が剥がれ落ち、内側から新しい細胞へと入れ替わります。ターンオーバーが乱れると、シミ・くすみ・ニキビなどの肌トラブルを引き起こします。アゼライン酸は、表皮の角化異常を改善して角質の蓄積を防ぎ、滑らかな肌と整った肌質に導きます。
抗酸化作用
アゼライン酸は、活性酸素の増殖を抑えて炎症の悪化を防止する役割があります。活性酸素が体内で過剰に生成されると、肌の組織にダメージを与えて炎症につながるおそれがあります。アゼライン酸は活性酸素の酸化反応を抑制するため、炎症による赤ニキビ・酒さの悪化予防に効果的です。
色素沈着の抑制
アゼライン酸はメラニン色素の生成を抑制するため、色素沈着によるシミやくすみを改善する効果が期待できます。メラニンを生成するメラノサイトに作用し、色素の沈着を防止するため、美肌を目指せます。炎症後色素沈着と呼ばれる茶色いニキビ跡の予防にも有効です。
皮脂分泌抑制作用
アゼライン酸には皮脂分泌抑制作用があるため、毛穴の詰まり・皮脂の過剰分泌などが原因で発生するニキビの治療に効果的です。新旧のニキビが肌に混在する悩みを抱える方におすすめです。副作用や身体への負担が少ないため、妊娠・授乳中の方でも比較的安心して使用できます。
アゼライン酸が有効な肌の悩み

アゼライン酸は、以下の肌トラブルを改善するのに役立ちます。
- ニキビ
- 酒さ
- 毛穴の詰まり
ここでは、主な3つの効果について解説します。
ニキビ
アゼライン酸には、アクネ菌の増殖や肌の炎症を予防してニキビを予防・改善する役割があります。角化と皮脂分泌を抑制する働き、抗菌作用によって、古い角質による白ニキビとアクネ菌が感染して生じる赤ニキビの治療に効果的です。メラニンの生成を抑える働きもあるため、継続して使用するとニキビ跡の予防にも効果を発揮します。
酒さ
酒さとは、中年以上の女性に多い慢性的な皮膚炎です。顔全体が赤らむ、赤いブツブツができるなどのタイプがありますが、アゼライン酸にはこの発疹を抑えて炎症を改善に導く効果があります。酒さの明確な原因は分かっておらず特効薬がないため、副作用が少なく継続的な使用が可能なアゼライン酸は治療に適しているといえるでしょう。
毛穴の詰まり
アゼライン酸は、角質の増殖と蓄積を防止して毛穴の詰まりを予防するのに効果的です。アクネ菌の抑制にも働きかけるため、毛穴の健康を維持する役割もあります。黒ずみや開きなどのトラブルにも有効で、脂性肌の方は、全体はもちろん気になるところに部分的に塗る使い方も可能です。
アゼライン酸に副作用はある?

アゼライン酸は天然由来成分であるため、副作用のリスクは低いとされています。妊娠中や授乳中の方、敏感肌の方でも使用できるのが魅力です。濃度が高いと肌に軽度の赤み・カサつき・ピリつきを感じるケースがありますが、多くの場合は数日で治まります。症状が強い場合は、使用量を減らしたり一時的に使用を中止したりする工夫が必要です。
アゼライン酸がおすすめな人

アゼライン酸は、以下に当てはまる方におすすめです。
- ニキビ・赤ら顔にお悩みの方
- 肌のくすみが気になる方
- 毛穴トラブルにお困りの方
- 授乳中・妊娠中の方
- 繰り返すニキビやニキビ跡を改善したい大人の女性
アゼライン酸には抗炎症作用があるため、紅斑による赤いニキビ跡や色素沈着による茶色いニキビ跡に有効です。混在する新旧のニキビに働きかけ、総合的な改善が期待できます。角化と皮脂の分泌を抑制する作用があるため、毛穴の開きや詰まり、黒ずみに対しても効果を発揮します。副作用のリスクが低いため、胎児への影響が気になる妊婦の方も比較的安全に使用可能です。
アゼライン酸を使用する際の注意点

アゼライン酸を使用する場合は、以下の4点に注意が必要です。
- 即効性がない
- 保険適用外である
- 基本的には単独で使用する
- 副作用のような症状がみられたらクリニックを受診する
それぞれの注意点について解説します。
即効性がない
アゼライン酸は緩やかに作用し、単体で症状を改善するのが難しい場合があります。ニキビや酒さの治療において、適応する薬がない場合や妊娠・授乳中で安全性を考慮する場合に用いられるケースが多いです。軽いニキビの改善やニキビ跡の予防には役立ちますが、アゼライン酸だけで重度の症状を治療するのは難しい場合があります。
保険適用外である
現在、日本においてアゼライン酸は医療用医薬品としては承認されておらず、治療に用いる場合でも保険適用外(自費診療)となります。
クリニックで購入できる場合も「化粧品」として扱われるのが一般的です。アゼライン酸は市販で入手可能な成分ですが、自己判断での使用が心配な方は、クリニックで医師に相談しましょう。
基本的には単独で使用する
アゼライン酸は身体への影響が少なく、他の治療や化粧品との併用も基本的には問題ありません。しかし、刺激のある薬品や化粧品と一緒に使用すると、症状が現れた際に原因が不明瞭になってしまいます。特に使い始めてしばらくのあいだは単独で使用するのが望ましいでしょう。
副作用のような症状がみられたらクリニックを受診する
アゼライン酸は副作用のリスクが低い成分ですが、まれに赤み・痛み・かゆみなどの症状が現れるケースがあります。通常は使用を続けているうちに治まりますが、2週間ほど様子をみて改善されない場合は他の原因が考えられます。特に酒さの肌は外用薬や化粧品による刺激を感じやすいため、他の薬と併用する場合や化粧品を選択する際は医師に相談しましょう。
まとめ
アゼライン酸の効果や副作用、注意点を紹介しました。アゼライン酸にはニキビをはじめとした肌トラブルへの改善効果が期待できますが、不安な方は事前にクリニックでご自身のお肌について相談するとよいでしょう。ニキビや酒さをはじめ、お肌のお悩みはTCBスキンクリニックにご相談ください。
本ページの監修医師
肌は年齢や生活環境、日々のストレスなど、多くの要因から影響を受けやすく、人それぞれお悩みが異なります。乾燥やしみ、毛穴やニキビなど、肌トラブルは放置せず、悪化する前に早めの対処をしてください。TCBスキンクリニックでは、患者様が安心して治療を受けられるよう、医師が丁寧にカウンセリングを行い、肌の状態やお悩みに応じたプランをご提案いたします。美しい肌を手に入れるためには正しい知識を持ち、適切な治療を選ぶ必要があります。どんな肌悩みでもお気軽にご相談ください。皆様の理想の肌づくりをサポートいたします。
【札幌駅前院】

経歴
- 横浜市立大学医学部 卒業
- 茅ヶ崎市立病院
- 日本医科大学 皮膚科
- 東京中央美容外科 札幌駅前院 院長
備考
- 日本美容外科学会(JSAS) 正会員
- 日本美容皮膚科学会 正会員
- 日本皮膚科学会 正会員
- ボトックスビスタ® 認定医
- ジュビダームビスタ® 認定医
- 日本美容医療学会(JAPSA) 会員