
ダーマペンは、皮膚に微細な穴をあけて小さな傷をつくり、創傷治癒力によって小ジワやたるみ、ニキビ跡などを改善する治療です。針を刺す深さは0.1ミリ単位で調整できるため、ご自身の悩みにはどの深さが適しているか、疑問に感じている方も少なくありません。
この記事では、ダーマペンの深さについて、悩み別のおすすめや痛み、ダウンタイムなどを解説します。ダーマペンの治療を検討している方は、ぜひご覧ください。
ダーマペンの針の深さについて

ダーマペンは、皮膚に穴をあける際に0.1ミリ単位で深さを調節できます。どのような悩みを改善させたいかによって針を刺す深さが異なるため、事前のカウンセリングが重要です。
皮膚は、外側から「表皮(角質層・顆粒層・有棘層・基底層)・真皮・皮下組織」で構成されています。このうち、患者様の悩みの原因となっている箇所はどこなのか、医師と確認しながらダウンタイムも踏まえて針を刺す深さを決めることが大切です。
ダーマペンの針の深さによる効果

針の深さを何ミリにすると、皮膚のどの部分に届くのか紹介します。
- 0.25ミリ:角質層
- 0.5ミリ:表皮
- 1ミリ:表皮~基底層
- 1.5ミリ:基底層
- 2ミリ以上:真皮層
0.25ミリ:角質層
0.25ミリは表皮の一番外側にある角質層に針が届く深さです。角質層では、毛穴詰まりや皮脂の詰まり、ニキビなどのトラブルが生じやすいため、ダーマペンで改善できる可能性があります。また、初めてダーマペンの治療を行う方は、まず0.25ミリの浅い層から試してみるのもおすすめです。
0.5ミリ:表皮
0.5ミリは表皮に針が届く深さです。表皮に穴をあけると、傷を治そうとする創傷治癒力が働き、コラーゲンやエラスチンなどが生成されます。肌にハリが出るため軽度の小ジワやたるみなどに効果が期待できます。表皮への治療も強い刺激を与えることはないため、比較的ダウンタイムは短く済みます。
1ミリ:表皮~基底層
1ミリは表皮から基底層に針が届く深さです。基底層では、表皮や真皮のダメージを修復してターンオーバーを促す働きがあります。そのため、基底層を刺激するとターンオーバーが促され、古い細胞を排出しやすくなります。基底層に針が達すると、赤みや腫れを伴うケースもありますが、3日~1週間程度の症状です。
1.5ミリ:基底層
1.5ミリは、基底層に針が届く深さです。1ミリよりも深い層にアプローチするため、痛みも出やすいです。しかし、その分ターンオーバーが促され、色素沈着やニキビ跡など肌悩みへの効果が期待できます。
2ミリ以上:真皮層
2ミリ以上は、真皮層に針が届く深さです。重度のニキビ跡や妊娠線などに効果的な深さですが、症状によっては数回の治療が必要になるケースもあります。真皮層には、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を生み出す線維芽細胞があり、刺激によって活性化して美肌成分が生成されます。
悩み別の針の深さ

ダーマペンを刺す針の深さは、悩み別に分けられます。
- ニキビ
- 小ジワ・たるみ
- 毛穴の開き・色素沈着・クレーター・傷跡
- たるみ毛穴・凹凸のあるクレーター・妊娠線
ニキビ
ニキビ解消のためにダーマペンを行う場合は、0.25ミリで角質層にアプローチするのがおすすめです。ただし、炎症があるニキビはダーマペンによって酷くなる恐れがあるため、医師との相談が必要です。
小ジワ・たるみ
小ジワやたるみの解消を目指してダーマペンを行う場合は、0.5ミリで表皮にアプローチするのがおすすめです。表皮にダーマペンで穴をあけ、線維芽細胞を刺激するとコラーゲンやエラスチンを生成します。肌のハリや弾力が向上し、特に皮膚が薄い目元の小ジワや軽度のたるみに効果的です。
毛穴の開き・色素沈着・クレーター・傷跡
毛穴の開きや色素沈着、クレーター、傷跡などを解消したい場合は、1~1.5ミリで基底層にアプローチするのがおすすめです。基底層では新しい肌の再生を促すため、ターンオーバーを活発化させ色素沈着やクレーターなどの難しい治療にも効果を発揮します。
たるみ毛穴・凹凸のあるクレーター・妊娠線
たるみ毛穴や凹凸のあるクレーター、妊娠線には2ミリ以上で真皮層にアプローチするのがおすすめです。真皮層のコラーゲンやエラスチンを活性化させると、肌全体にハリやツヤが出て症状が目立ちにくくなります。さらに、深い部分までダメージが及んでいるクレーターや妊娠線などには、真皮層までアプローチするのが効果的です。
ダーマペンは3ミリまで針の深さを調整できますが、2ミリ以上の治療は痛みやダウンタイムが伴うため医師と相談のうえで慎重に判断する必要があります。
ダーマペンの針の深さは痛みとダウンタイムにも影響する

ダーマペンの針の深さは、効果だけではなく痛みやダウンタイムにも影響を及ぼします。
針の深さによる痛み
ダーマペンは針で皮膚に穴をあける治療のため、チクチクとした痛みを感じることがあります。痛みの感じ方には個人差がありますが、一般的には針を深く刺すほど痛みが強く出る傾向にあります。TCBスキンクリニックでは、ダーマペンの治療時に麻酔クリームを使用します。麻酔クリームだけでは不安と感じる方は、オプションで各種麻酔の用意もあるため、カウンセリングで医師に痛みが気になるとご申告ください。
針の深さによるダウンタイム
ダーマペンは治療後のダウンタイム中に赤みや点状出血、針穴、かゆみ、腫れ、痛みなどが発生します。針を刺す深さによって、ダウンタイムの日数にも変化が生じます。
- 0.25~0.5ミリ:2~3日程度
- 1~1.5ミリ:4~5日程度
- 2ミリ以上:1週間程度
このように、針が深くなるほどダウンタイム期間も長引く傾向にあります。ただし、期間には個人差があるため、医師の診断や指示をよく聞き、守ることが重要です。
副作用が出ている間は、飲酒や激しい運動、長時間の入浴などの血行が良くなる行為は避けてください。保湿や紫外線対策などのアフターケアをしっかりと行いながら医師の指示に従って過ごしましょう。
まとめ
ダーマペンは、深く針を刺すほど深刻な肌悩みを解決に導く治療です。しかし、真皮層まで針を刺すと痛みやダウンタイムが長引く可能性もあると理解しておきましょう。ご自身の悩みと肌の状態を医師と相談しながら、ダーマペンの深さを決めることをおすすめします。
TCBスキンクリニックでは、医師とカウンセラーの丁寧なカウンセリングによって患者様のお悩みや肌の状態を見極め、適切な針の深さを提案します。ダーマペンの治療を検討中の方は、ぜひ無料カウンセリングまでお越しください。
本ページの監修医師
肌は年齢や生活環境、日々のストレスなど、多くの要因から影響を受けやすく、人それぞれお悩みが異なります。乾燥やしみ、毛穴やニキビなど、肌トラブルは放置せず、悪化する前に早めの対処をしてください。TCBスキンクリニックでは、患者様が安心して治療を受けられるよう、医師が丁寧にカウンセリングを行い、肌の状態やお悩みに応じたプランをご提案いたします。美しい肌を手に入れるためには正しい知識を持ち、適切な治療を選ぶ必要があります。どんな肌悩みでもお気軽にご相談ください。皆様の理想の肌づくりをサポートいたします。
【札幌駅前院】

経歴
- 横浜市立大学医学部 卒業
- 茅ヶ崎市立病院
- 日本医科大学 皮膚科
- 東京中央美容外科 札幌駅前院 院長
備考
- 日本美容外科学会(JSAS) 正会員
- 日本美容皮膚科学会 正会員
- 日本皮膚科学会 正会員
- ボトックスビスタ® 認定医
- ジュビダームビスタ® 認定医