
主にシミへの効果が高いとして人気のピコレーザーには、3つの照射モードがありそれぞれ適応が異なります。「ピコレーザーとピコトーニングは何が違うのか」と疑問を持つ方もいますが、ピコトーニングはピコレーザーの照射モードの1つです。
この記事では、3つの照射モードについて詳しく解説し、どのような方に向いているのかも紹介します。ピコレーザーの治療を検討中の方、違いが知りたい方は、ぜひご覧ください。
ピコレーザーとは

ピコレーザーは、照射時間が短いレーザーを当ててメラニン色素を破壊する治療です。従来シミ治療に用いられていたQスイッチレーザーは、ナノ秒(10億分の1秒)単位の照射ですが、ピコレーザーはピコ秒(1兆分の1秒)単位で照射できるレーザーです。照射時間が少ない分、痛みやダウンタイムを抑えられて、色素沈着のリスクも軽減できます。
また、ピコレーザーは衝撃波でメラニン色素を細かく破壊し、体外に排出しやすくします。少ない照射回数で効果を実感しやすいのが特徴です。
ピコレーザーの3つの照射モード

ピコレーザーには、以下の3つの照射モードがあります。
- ピコトーニング
- ピコフラクショナル
- ピコスポット
ピコトーニング
ピコトーニングは、低出力のレーザーを広範囲に照射し、全体に広がる薄いシミや肝斑、そばかすなどを治療します。2〜4週間に1回のペースで5〜10回程度の照射がおすすめです。顔全体に照射するため、肌のトーンアップ効果も期待できます。輪ゴムで弾かれているような痛みや熱感がある場合もありますが、一般的には我慢できる程度です。
ダウンタイムは基本的に少ない治療法ですが、治療直後は赤みや肌の乾燥が起こるケースがあります。数日で治まるのが一般的であるため、1週間以上症状が続く場合はクリニックに相談してください。
ピコフラクショナル
ピコフラクショナルは、レーザーを照射して表皮の内側に点状の微細な穴を開け、創傷治癒力によってコラーゲンやエラスチンを生成させます。小ジワや毛穴、ニキビ跡などに効果を発揮する治療法です。4週間に1回の間隔で照射を複数回繰り返すと肌質改善効果も期待できます。個人差はありますが、照射時にチクチクとした痛みを感じる場合があります。
従来のレーザー治療と比べてダウンタイムは少ないですが、点状出血や赤みが数日間生じるケースもあります。
ピコスポット
ピコスポットは、強い出力のレーザーを照射して目立つシミやそばかすを取り除く治療法です。個人差はありますが、1〜3回の照射でシミを除去できるため、何度もクリニックに足を運ぶ必要がありません。シミだけではなく、タトゥーやアートメイクの除去にも適しています。高出力のレーザーを照射するため、他の照射方法に比べてやや痛みを強く感じる可能性があります。
ダウンタイムは1~2週間程度です。数日後から照射した部分にかさぶたができはじめますが、自然に剥がれ落ちるため無理に剥がさないよう注意が必要です。
ピコレーザーがおすすめの方

ピコレーザーの照射方法は3つあるため、それぞれに適している症状やおすすめの方が違います。3つの照射モード別におすすめの方を紹介します。
ピコトーニングがおすすめの方
ピコトーニングは、以下のような方におすすめの治療法です。
- 肝斑を治療したい
- 顔全体の薄いシミを除去したい
- くすみを改善したい
ピコトーニングは、レーザー治療が難しいとされる肝斑にも効果的です。さらに、顔全体に照射するため広範囲に広がる薄いシミを改善できます。肌へのダメージを抑えながら顔全体のくすみも改善できるため、負担をかけずに治療したい方に向いています。
ピコフラクショナルがおすすめの方
ピコフラクショナルは、以下のような方におすすめの治療法です。
- 小ジワを改善したい
- 毛穴の開きを改善したい
- ニキビ跡を治したい
ピコフラクショナルは点状照射によって小ジワや毛穴のトラブルを改善させます。また、肌全体が綺麗になるため肌質を改善させたい方にも向いている治療法です。
ピコスポットがおすすめの方
ピコスポットは、以下のような方におすすめの治療法です。
- 濃いシミが気になる
- 目立つアザを治療したい
- 少ない回数で治療を終えたい
ピコスポットは、他の2つの照射モードと比べるとパワーが強く、濃く目立つシミやアザなどをピンポイントで除去できます。少ない回数で気になるシミを取り除きたい方に向いている治療法です。
ピコレーザーを受ける際の注意点

ピコレーザーの治療を受ける際は、以下のポイントに注意する必要があります。
- 炎症後色素沈着に注意
- 副作用が出たら医師に相談する
- 健康状態を申告する
- 肌状態に合わせた施術回数で行う
炎症後色素沈着に注意
ピコレーザーは、従来のQスイッチレーザーに比べると炎症後色素沈着が起こりにくい治療です。しかし、アフターケアを怠ったり、治療箇所に刺激を与えたりすると、炎症後色素沈着を生じるリスクがあります。炎症後色素沈着を防ぐには、施術後の敏感な肌に対して紫外線の刺激を与えないよう日焼け対策と保湿をしっかりと行い、肌を守ってください。また、治療した箇所を強く擦ったり、かさぶたを無理に剥がしたりすると炎症後色素沈着の原因になる可能性があるため、注意しましょう。
副作用が出たら医師に相談する
ピコレーザーの治療後に、熱感や内出血、腫れなどが出るケースもありますが、多くは数日で治まります。万が一改善しない、徐々に症状が酷くなるなど、心配な場合はすぐに医師に相談してください。早い段階で適切なケアを行えば、肌への負担を少なくできます。
健康状態を申告する
治療前には、ご自身の健康状態を正確に医師に伝えてください。既往歴、アレルギーなどに加え、妊娠の可能性や現在服用中の薬がある方は、漏れなく申告しましょう。
肌状態に合わせた治療回数で行う
ピコレーザーの治療回数は、個人差があります。肌状態や希望の状態に合わせて治療回数を医師と相談し、適切な間隔をあけて治療を行ってください。同様に、ピコレーザーのどのモードを選ぶのかについても、医師と相談のうえで決める必要があります。希望と提案された内容が違う場合は、ご自身の肌状態などを医師からしっかりと説明を受け、納得のできる治療を進めましょう。
まとめ
ピコレーザーは、3つの照射モードがありそれぞれ適応が異なります。ご自身が改善したいお悩みや肌の状態によって医師としっかりと相談したうえで、照射モードや照射回数を決める必要があります。
TCBスキンクリニックでは、ピコレーザーの3つの照射モードを患者様にカウンセリングでしっかりと説明したうえで、適した治療をご提案します。ピコレーザーの治療を検討中の方はぜひ無料カウンセリングまでお越しください。
本ページの監修医師
肌は年齢や生活環境、日々のストレスなど、多くの要因から影響を受けやすく、人それぞれお悩みが異なります。乾燥やしみ、毛穴やニキビなど、肌トラブルは放置せず、悪化する前に早めの対処をしてください。TCBスキンクリニックでは、患者様が安心して治療を受けられるよう、医師が丁寧にカウンセリングを行い、肌の状態やお悩みに応じたプランをご提案いたします。美しい肌を手に入れるためには正しい知識を持ち、適切な治療を選ぶ必要があります。どんな肌悩みでもお気軽にご相談ください。皆様の理想の肌づくりをサポートいたします。
【町田院】

経歴
- 東京慈恵会医科大学医学部 卒業
- 東京慈恵会医科大学附属病院
- 都内美容クリニック
- 東京中央美容外科 町田院 院長