トラネキサム酸は、シミや肝斑に効果がある美白有効成分であるため毎日のスキンケアや服薬として取り入れたいと考える方も少なくありません。
しかし、実際どのような効果があるのか、効果が出るまでどの程度の期間が必要かなど、疑問を抱くこともあります。
この記事では、トラネキサム酸の効果、注意点、効果が出るまでの期間を紹介します。
トラネキサム酸の効果について知りたい方、副作用や注意点などが気になる方は、ぜひご覧ください。
トラネキサム酸の効果
医薬品や医薬部外品として取り入れられるトラネキサム酸には、以下のような効果があります。
- シミ・肝斑の治療
- 抗炎症作用
- 止血作用
トラネキサム酸の3つの効果について詳しく紹介します。
シミ・肝斑の治療
シミの原因はメラノサイト(色素を生成する細胞)が活性化し、大量のメラニンを生成するためです。プロスタグランジンと呼ばれる物質が生成されると、メラノサイトを活性化させます。トラネキサム酸は、プラスミンの生成を抑えることでプロスタグランジンの生成も抑え、結果的にメラノサイトの異常な活性化を抑制し、シミの発生を防ぎます。
また、肝斑の治療は間違った治療をするとかえって目立ってしまうこともあり危険です。内服薬で皮膚に直接刺激を与えずに治療をすると、体内でメラニンを抑制し肝斑の発生も防ぎます。
抗炎症作用
トラネキサム酸には抗炎症作用があり、のどの痛み・口内炎などの炎症やアレルギー反応を和らげる効果があります。
前述したプラスミンは、ブラジキニンと呼ばれる発痛物質を産生し、炎症や痛み、腫れの原因物質になるのが特徴です。トラネキサム酸は、プラスミンの産生を抑制する効果があるため、間接的ではありますがブラジキニン産生を抑制し、炎症反応を緩和させます。
止血作用
トラネキサム酸の抗プラスミン作用は、血液の凝固を助ける作用もあります。通常血液は凝固する際、フィブリンというタンパク質が血栓を形成しますが、プラスミンがフィブリンを分解するため、血栓を溶解してしまいます。
トラネキサム酸を飲めば、プラスミンの産生を抑制するため、止血作用が期待でき、手術やケガに伴う異常な出血・月経時の過剰出血などに効果的です。
トラネキサム酸の成分
トラネキサム酸は食事で摂取することはできず、人工的に作られたアミノ酸の1つです。もともと止血剤や抗炎症薬として医薬品に配合されていた成分で、風邪や口内炎、アレルギーの薬として処方されていました。
1995年に肌荒れを防ぐ成分として、2002年にシミ改善に効果がある成分として厚生労働省に認可され、医薬部外品にも配合されるようになっています。
現在は医療の現場だけではなく、美容医療でもシミや肝斑の改善を目指して広く使用されています。
トラネキサム酸を服用する際の注意点
トラネキサム酸は医薬品であるため、服用するにあたって注意点を守る必要があります。トラネキサム酸を服用する際の注意点を紹介します。
副作用の可能性がある
トラネキサム酸には、以下の代表的な副作用があります。
副作用 | 概要 |
---|---|
血栓症 | 血液の凝固を促進するため血栓症のリスクがある |
胃腸系の副作用 | 吐き気、下痢など軽い副作用の可能性がある |
腸閉塞 | 腸の運動性が低下することがあるため、容量を守って服用する必要がある |
アレルギー反応 | 発疹、かゆみ、腫れ、呼吸困難などの症状が出たらすぐに医師に相談する |
頭痛 | 一般的な副作用で、一過性の場合が多い |
副作用はすべての患者様に現れるものではありませんが、万が一副作用が強く現れたり、症状がなかなか落ち着かなかったりする場合は、すぐに医師に相談することをおすすめします。
服用できない方もいる
トラネキサム酸は、以下の方は服用できない可能性があるため注意が必要です。
- 血栓が出現する危険性がある
- 血液凝固障害
- 脳梗塞、心筋梗塞を患っている、また、家族に既往歴がある
- 腎不全
- ピルを飲んでいる
- 妊娠中・授乳中
トラネキサム酸を服用すると、血栓ができやすくなるため既往歴や疾患によってリスクが高い方は慎重に服用する必要があります。必ずこれまでにかかった病気や現在飲んでいる薬などを医師に申告してください。
また、すでに他の止血剤を使用している場合もトラネキサム酸を服用できません。さらに、長期的に大量に服用すると、肝臓に負担をかけるともいわれているため、医師の指示にしたがって服用するようにしましょう。
白髪になるのは本当?
トラネキサム酸を服用すると白髪が増えるとの噂がありますが、医学的根拠はなく心配する必要はありません。
白髪の発生は、毛包内のメラノサイトが活動を停止すると引き起こされますが、このメカニズムにトラネキサム酸は直接関与せず、研究や臨床試験などでも白髪が増えるとのエビデンスはないです。
トラネキサム酸の効果が出るまでの期間
トラネキサム酸を服用し始めてから効果を実感するまでには個人差がありますが、一般的な目安を紹介します。
目安は4~8週間
効果が現れ始める一般的な目安は4~8週間とされています。肌のターンオーバーは健康な20代で約28日、30代で約40日、40代になると約55日となり個人差があるため、ターンオーバーの周期によって効果の現れ方に違いが出てきます。
また、シミの種類や症状の程度、年齢や体質、併用する治療法、日々の生活習慣などが複合的に影響して、効果の現れ方には個人差が生じます。
トラネキサム酸は、服用を継続すると変化が見られる可能性が高まるため、医師の指導を受けながら内服を続けるようにしてください。
効果が出にくいケースとは
トラネキサム酸の効果が出にくいケースを紹介します。
- 医師の指示通りに服用できていない
- 3ヶ月未満の服用
- 濃いシミ、広範囲の肝斑
- 不規則な生活習慣
- 紫外線対策をしていない
トラネキサム酸は、医師の指示通りに服用時間を決めて飲み忘れが無いように飲む必要があります。飲む時間がバラバラだと飲み忘れにつながるため、服用時間は決めるのがおすすめです。
最低でも3ヶ月以上は服用を続ける必要があるため、効果がないとやめてしまうのではなく医師と相談しながら根気強く続けてみてください。
また、睡眠不足や過度なストレスはターンオーバーを乱す原因となり、メラニンが排出されづらい環境です。
トラネキサム酸を服用しながらでも、紫外線対策をしっかり行うことで、新たなシミを生成させない努力も必要です。
まとめ
トラネキサム酸は、シミや肝斑を改善させるだけではなく、止血効果や抗炎症作用もありのどの痛み、月経過多などでも処方される薬です。
トラネキサム酸の服用を検討している方は、まず美容皮膚科でカウンセリングを受け、自分に合った治療方法で悩みを解決に導きましょう。
TCBスキンクリニックでは、内服薬やピーリング、レーザーなどさまざまな治療によって患者様の悩みにアプローチします。
シミや肝斑にお悩みの方は、ぜひ無料カウンセリングを受けてみてください。
本ページの監修医師
肌は年齢や生活環境、日々のストレスなど、多くの要因から影響を受けやすく、人それぞれお悩みが異なります。乾燥やしみ、毛穴やニキビなど、肌トラブルは放置せず、悪化する前に早めの対処をしてください。TCBスキンクリニックでは、患者様が安心して治療を受けられるよう、医師が丁寧にカウンセリングを行い、肌の状態やお悩みに応じたプランをご提案いたします。美しい肌を手に入れるためには正しい知識を持ち、適切な治療を選ぶ必要があります。どんな肌悩みでもお気軽にご相談ください。皆様の理想の肌づくりをサポートいたします。
【町田院】
経歴
- 東京慈恵会医科大学医学部 卒業
- 東京慈恵会医科大学附属病院
- 都内美容クリニック
- 東京中央美容外科 町田院 院長